「エンタメPB化」を試みるニコニコ動画〜シロウトがプロを超える日〜

[ニコニコ]ニコニコ大会議ツアーファイナル2Days in東京・2nd day!
[ニコニコ]ニコニコ大会議ツアー、ファイナルは大合唱でエンディング!

去年から宣伝営業していたニコニコツアー.昨日,東京でファイナル2日目最終ライヴがありました.ニコニコアカウントを持ってる方は一度だけ視聴できると思います.このライヴでは,会場には3000人でネットリアルタイム視聴は20000人なので,同時に23000人がライヴ体験したことになります(来場のべ人数は約49万人).

出演している方々は,ほとんどがニコニコ動画内のシロウトの方々です.その方々が自らステージで盛り上げていました.また歌っている曲は,ニコニコ動画という閉じられた空間での有名な曲.もちろんネットでは結構有名な曲ですが,プロが歌った曲を使用していませんでした.たぶん,この部分(ニコニコ動画発祥の曲を歌う)が重要なのでしょう.

エンターテイメントのPB(プライベートブランド)化

これまでのエンターテイメント業界は,タレント事務所を通じてプロという社員を作り出してから,テレビ局や広告業界へ送り込んでいました.しかし,ニコニコはそれとは違った「インターネットを通じてタレント(才能ある者)を発掘する」方法を模索していると,私は感じます.

コスト構造が変わり,シロウトが自分をアピールする土壌であるニコニコ動画を通じて発信する.コンテンツは広告業界などが作るのではなく,消費者(ここではニコニコ動画利用者)が作り出す.ニコニコ動画を提供しているニワンゴは,そのインフラを維持しているだけとも言えるかもしれません.

「シロウトが作るエンタメ」とすることで中間マージンが極端に削減されるので,かなりの低コストで運営することできるわけですね.ニワンゴはこの「エンタメPB(プライベートブランド)開発」を試行錯誤しているのだと思います.なので,今は赤字でもコストはある程度固定化ができて,収入アイデアさえあれば,すぐにPAYできると思います.

さて,レガシーメディア(広告業界やテレビ業界等)はこの変化に気づいているのでしょうか.おそらく気づいていても実現するのは難しいと思います.レガシーメディアは,あくまで「消費者に決まった(ウケる)商品を提供する」ノウハウばかりで,「消費者がコンテンツを作る」土壌をうまく作り上げるようなノウハウは持ち合わせていないと思います.

もしかしたら,手っ取り早い方法で抗戦をかけてくるかもしれません.しかし,その気配を感じたユーザ達は,最終的にその場から居なくなるでしょう.・・・と半分想像で書いていますが,実際にこの感覚が正しいのか,別の機会に調査してみたいと思います.

さて,このように書いている私も実はニコニコプレミアム会員です.今後もニコニコ動画を通じてニワンゴが提供するサービスを利用しながら,貴社の戦略を見守っていきたい(=応援)と思います.

※ここで記載した「シロウト」という言葉は,プロと対比して使用しているだけで,ネガティブな意味は含んでいません.(2010/02/22 23:00)